フィルムのスリーブの束から 一枚、写真が舞い落ちた。

10年前の写真だ。若き日のボクが写っている。
当時のボクは怠惰な生活をおくり、
無責任を絵に描いたような学生だった。
そんな俺はある日、遊び感覚でエントリーしたパンツ一丁武道会、
通称パンイチ武道会に出場し、あろう事か優勝してしまった。
その日からモラトリアムは加速度を増した。

優勝した金で毎夜毎夜国分町に繰り出し、
酒を浴びるように飲み、好きなだけ女を抱いた。
シャブの代わりに、メリケン粉を吸った。
マジックマッシュの代わりに大量の「キノコの山」を口にした。
亀仙人を鶴仙人と呼び捨てた。
ウーロンに“豚人間”と言うあだ名を付けた 。
手に入らないものはないと思っていた。
愛だって買えると思っていた。

が、すぐ金は底をついた。借金まみれになった。
女は去った。「キノコの山」も買えなくなった。
タケノコの里には興味がなかった。
夜な夜な逃げた。
あらゆる闇から逃げた。
子犬のように、プルプルと見えないモノに怯えていた。
ドーナッツ食って死にてーと思った。
プレスリーか!と突っ込んだ。

だがもう、逃げるのは辞めた。
この震えを止めるには、もう一度頂点に立つしかない。
臥して死を待つよりも討って出て活路を見いだすべきだと。

次はおパンティ武道会に挑戦だ。

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コメント

『前回大会、おパンティ武道会のハイライト』

「どうやらこの重いパンティを脱ぐしかないようだ・・・。まさか一回戦でこれを脱ぐハメになるとは・・・」

「そんな!?お前はあんなパンティをつけて戦っていたのか!」

以上、前回優勝者マツコデラックスのハイライトでした。

マツコデラックスに勝つ自信は今のところないな。
と言うかパンティ脱いじゃダメだろ。

靴とアンダーシャツとかリストバンドにしてくれ。

そのわいせつ物陳列罪は黙認しかねる。

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